今後の夢と言われても、まだ余裕がなくて、そこまで行かないなぁ。とにかく政治家の仕事って言うのは、そこに住んでいる方々が安心して生活することに尽きます。そこには経済的なこともあるし、防災的なこともあるし、全ての面が関係してくるわけだけど、やっぱり「ここで生まれて良かった」と、そう思ってもらえるようにしたいですね。
地域の安全と産業の振興とあるけれど、そこで自分が出来る範囲で、それに向かって励むしかないと思います。みんな協力し合いながらみんなが幸せに暮らせればいいなということです。
ここはやっぱり一次産業、水産業が大事なんです。これをはやく復活させることなんですよね。養殖場があるから、そこがうまくいけば、生活にゆとりが出てくるからね。
「水産特区」を知っていますか? 県知事が発言し県議会でもその方向で行くのに決定しているものです。要するに民間の資金を利用して、民間の方に漁業に参入してもらうということです。
具体的には、漁業権行使の書き変え時期にあたる平成25年までには確定します。そこで県知事が区画漁業権の許可を出すんですが、これからは民間にも出しますよ、というふうな内容なのです。
漁民の中には反対してる方々もありますよ。単純な既得権が脅かされるから反対だ、反対だ、と言う。そうじゃなくて、結局今、漁業施設が壊滅状態で、自力で再建が出来ない人もいる。若い人が後継者にいて、これから30年も40年も事業を継続できるよっていうところばかりではありません。
たとえば事業主が50代、60代で、息子は別の仕事をしてる人、後継者がいなくて自分で終わりだという人の中には、借金をして昔のように復活できるかっていうとやれない人もいるんです。国が再建資金の3分の2の補助をくれるといっても、数万円でできるものではありません、何百万、何千万とかかるんです。むしろ民間の業者に来てもらって、そこで一緒に働くとか、サラリーマン感覚で、給料を貰って働きたいという人もいるわけです。
だから産業復興というのは、やりかた次第だと思います。何も今まで自分たちが漁をしていた、そういう生活を邪魔されるわけではないわけです。県知事が許可を与えんのは限定した部分で、何もかもを渡すわけではないのです。漁業権という権利をもともと持ってた方々が全部放棄させられるわけではなく、ある程度の分野に就いては民間に譲りましょう、ということなんです。民間は漁民ができないことをやってもらおうということ。だから、私は賛成なんです。
民間の業者が来る事によって、販路も広がってくるわけで、今までが「作り育てる漁業」だったのですが、今は「売る漁業」なんですよ。付加価値を高めると。そうすると販路も広がってくるし、今まで10売れたものが12に、15になるかもしれないんです。要するに、漁民の方々の収入が増えればいいと思いますね。
この震災をきっかけに、漁業の形も変わってくるだろうと思います。そう考えないと、これからの経済社会を進んでいけないと思いますね。人間の意識の方向変換が大事です。
「あした、泣く」三浦清人さん
[宮城県本吉郡南三陸町歌津]昭和29(1954)年生まれ
投稿日:2012.01.01
カテゴリー:キーワード.
再建資金, 復興への想い, 水産業, 水産特区, 漁業, 漁業権, 漁民
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