三陸ホウレンソウは、海から吹く冷たく湿った三陸特有の季節風、山背(やませ)を上手く利用して作ります。ホウレンソウは暑いとうまくできないんです。だけど、三陸は夏でも山背が吹くので、ビニールハウスの天井だけビニールをかけて、両サイドは開放してやれば、うまく育つんです。ビニールは日光も80%くらいしか通さないので、屋根だけ張ってやると夏でも冷たい風が吹き込んで暑くならない。夏物のホウレンソウは、なかなか出ないんですよ。品物も、仙台の山元町のように暖かいところで作るものとは違うんです。葉が肉厚で、いいホウレンソウができる。自然をうまく利用しているんです。
「結う人」牧野駿さん
[宮城県本吉郡南三陸町歌津伊里前]昭和13(1938)年生まれ
投稿日:2012.01.01
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