お正月の料理を食べ終わると、父親はね親戚を「一礼」しに、出かけるわけですよ。母親はいろんなもの食べさせたり、やっぱりよその人が「一礼」で家に来るからそこに(挨拶に)出たり、みなさんにお神酒出したりで忙しい。一礼っていうのは、一番最後に来る人がお酒を飲むのね。いろんなところを年始の挨拶で回んなくちゃいけないから、お酒を飲まないで回って歩くんです。一礼で「おめでとうございます」って父親が立派にして出て行くとね、もうそれが天国だった。帰ってくるまで(笑)。
こういう「一礼」っていう風習は何年も前からなくなって、今はみんなでセンターに集まって、おめでとうございますをするようになりました。私たちの親戚は何軒か、やっぱりやったほうがいいっていうんで、この前まで「一礼」をやっていました。来年はおそらくやらないでしょうね・・・亡くなった方が多いし、(親戚の中にも)佐沼や入谷に行って、ここにいない人もいますしね。
「わたしの志津川」高橋登美子さん
[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]昭和13(1938)年生まれ
投稿日:2012.01.01
カテゴリー:キーワード.
© 2012 東日本大震災 RQ聞き書きプロジェクト 「自分史」公開サイト. All Rights Reserved.