今は仮設住宅に入っています。5月の17日に鍵をいただきました。15日くらいに「入れるようになった」って電話があって、みんなに「あんたたちばかりズルいよねー」とか言われながら2日間過ごして、17日に母が説明を聞きに行ったら「明日、鍵を渡されたら、その人は自立とみなしますから」って言われたそうです。
米も無いんですよ。何号室って鍵をもらって、妹から軽トラック借りてきて荷物を運んで、とりあえず荷物は詰め込んで、家の中を見たんです。女だから見ますよね? 釜も包丁もある、一応プラスチックの食器もある。スプーンでもなんでも、とりあえず「有る」。大丈夫だなって思いました。「でも、米無いよね」って。水と電気はあるけど、「何を食べるの?」って。おかずも無い。
避難所で物資というか食事で缶詰を配る時、ウチは6人家族だからそのうちの3個くらいを開けて、3個は残すようにしていたんです。だから、そうやって取り置いた物を食べるしかないねって。
「ひまわりのように」幸田笑美さん(仮名)
[宮城県気仙沼市本吉町]昭和36(1961)年生まれ
投稿日:2012.01.01
カテゴリー:キーワード.
© 2012 東日本大震災 RQ聞き書きプロジェクト 「自分史」公開サイト. All Rights Reserved.