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切り子

お正月は神棚に、鯛などの形に切り抜いた「切り子」を飾りますね。そのほかにも、いろいろのお飾りを貼ります。鯛の形がついたとか。「星のだま」などのいろいろなお飾りを飾ります。それを作るのは、切子を専門にするような職人さんがいたんですね。しめ縄とかお飾りなどを売りに来ていました。
今でも、御幣束(おへいそく)を切る方が、この仮設住宅の中にいらっしゃいますよ。私も今年のお正月は小さいものを切ってもらいました。

「わたしの志津川」高橋登美子さん
[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]昭和13(1938)年生まれ

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一礼

お正月の料理を食べ終わると、父親はね親戚を「一礼」しに、出かけるわけですよ。母親はいろんなもの食べさせたり、やっぱりよその人が「一礼」で家に来るからそこに(挨拶に)出たり、みなさんにお神酒出したりで忙しい。一礼っていうのは、一番最後に来る人がお酒を飲むのね。いろんなところを年始の挨拶で回んなくちゃいけないから、お酒を飲まないで回って歩くんです。一礼で「おめでとうございます」って父親が立派にして出て行くとね、もうそれが天国だった。帰ってくるまで(笑)。

こういう「一礼」っていう風習は何年も前からなくなって、今はみんなでセンターに集まって、おめでとうございますをするようになりました。私たちの親戚は何軒か、やっぱりやったほうがいいっていうんで、この前まで「一礼」をやっていました。来年はおそらくやらないでしょうね・・・亡くなった方が多いし、(親戚の中にも)佐沼や入谷に行って、ここにいない人もいますしね。

「わたしの志津川」高橋登美子さん
[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]昭和13(1938)年生まれ

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雑煮

お正月に口に入るごちそうは、みんなこの辺りでとれたものです。お雑煮を作って、あんこ餅を作って、クルミをつぶして。クルミは金槌で叩いて割るんです。それでお雑煮には、(お雑煮の具に欠かせない)「お引き菜」と言って、中身は大根が千切りになって、にんじん、牛蒡と、しいたけと、あとは昔はね、地こんにゃくって言う名の黒いこんにゃく、それを千切りにしたのを入れて団子に作ります。その上に、蛸の渦巻(22ページ参照)とか、お雑煮の上盛りをします。仙台だとハゼなど付ける(※焼きハゼで出汁を取る仙台雑煮)んだけど、このへんでは、蛸の渦巻とかアワビとか付けてたんですよね。さらに、この辺りは鮭が登ってきて捕れたからイクラ(ハラコ)、セリはこのへんの田んぼから冬でも採れたから、セリのせて、シイタケのせて、それから、紅白のかまぼこをのせて、すごく豪華でした。

そこにお餅が入るのね。お餅がいらないっていうと「コウ」だけになるのね。コウっていうのはどんな字を書くんだったかな。よく「コウだけでいいな、餅いらないな」ってよく子供たちだけで言ってましたね。

あんこ餅とクルミ餅も用意します。あんこ作りは、大忙しだったのね。あんこ通しっていう道具があって、小豆をつぶしてこしあんにするわけね。そして袋に入れて水にふやかしてあんこを作ります。クルミはつぶして、剥くのは子供の仕事。クルミ餅とあんこ餅とお雑煮として、それでお正月の食卓は整います。
そして、大根おろし。神様にお供えするのに塩を使ってはだめって言われました。それで酢で味をつけたんです。紅白のかまぼこをお皿置きにして、そしてお正月の朝に、父親が神様に必ず捧げて、子供がその後ろにぞろぞろついていって拝むんです。

「わたしの志津川」高橋登美子さん
[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]昭和13(1938)年生まれ

正月

ここらへんのお正月の風習は、伝統的なものがありましたね。
まず暮れになると、お家を綺麗にして、神棚を掃除して、糊を焚いて、真っ黒になった格子もきれいにします。夜になると親が障子紙を張るので、昼間のうちに子供たちで準備しておくのです。それから、「お恵比寿さん」など(七福神)人形を全部下ろしてきて、すすで黒くなったのを洗って綺麗にしてから年越しをします。親は、日中の仕事が終わってから準備を始めて、障子を張るのも夜中までかかったりしてましたね。障子を張り替えると、部屋の明るさがぜんぜん違って、こんなに汚れていたのかと驚きました。

うちの場合だと五升枡ってお米測る枡があったんですよね、それに少しばかりのお金を入れて、それを「今年はありがとうございました。来年もなんとか困らない暮らしができるように」って親が神棚にお供えするんです。

「わたしの志津川」高橋登美子さん
[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]昭和13(1938)年生まれ

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食事

ごはんはね、麦を一杯食べました。そこに米を混ぜて、それでも量が足んなくて大根を足したのね。なんていうの、カテ(いわゆる「かてめし」のこと)っていったのかな。とにかく鍋に麦も、大根も入れて、そこに米も入れる。だから、米だけ炊くんならば簡単だけども、そういうのも入れっからね。あの頃と今は、本当に変わったね。麦なんか見あたらないよね。なんであんなに麦食べたんだろうねぇ。米と麦、どっちが美味しいって、米が美味しい! 米はお正月だけ。米のごはんはお正月だけで、その他は、お盆におこわなんかするからね。今の人たちは、おこわなんか珍しくも何も無いのにねえ。
「お正月はいいもんだ 雪のようなご飯食べて 油のような酒飲んで お正月はいいもんだ」 だっけか。そういう歌があったんだよな~あ。
(お正月の歌は口伝えで伝承されており、いろいろな歌詞があるようです)
ずっと昔は、酒っこもお正月しか飲まないんだよ。普通には飲まない。それはずっと昔の事だよ。今は、子どもたちも私も弟たちも、よそにてんでに(ばらばらに)暮らしてるから、寄る(集まる)というと、みんな酒っこが好きなの。だから私もおすばて作りに来い来い、っていうけどもね、話の相手はさっぱり。飲むことばっかり(笑)。
あっ、餅が一番ごちそう。餅が一番のごちそうなの。なんか喜びごとなんかがあると餅つくのね。それが一番のごちそうなの。あとはお正月は、粟餅だの、小豆餅だの、いっぱい作るんだな。餅もちつくとき米だけでなく、そういうのを入れたんだね。お正月じゅうお昼には餅焼いて食べたんだな。
お米食べるようになったのは、この頃でねえっぺかなあ? いつ頃か忘れたよう。ずっと昔のことは覚えてんけどね、今のことは忘れるの。あらあらあら。
だけんども、子どもが田束山さんの遠足だの、お祭りだの、どっかさ行くといえば、みんながするように、おにぎりさ梅干いれて白いごはんを食べさせたけど、ふつうは麦が入ったの食べたね。

「福の神」小野寺ちよしさん
[宮城県気仙沼市本吉郡]大正13(1924)年生まれ

神社の遺産も流されて

この八幡神社の祭典のときには、いろいろなお祭りの道具がありますが、八幡神社に置いておくと人があまり出入りしないので、盗難などの危険があるんです。ですから、神輿のいろんな飾りも全部外して、獅子頭ですとか、天狗のお面だとか、そう言った貴重なものは全部、家に持ち帰っていました。
その中に木の観音像があったんですよ。これは私の家の家宝だって言うことで、お祀りしてあったんですよ。これは大事なものだからって毎日寝るところの神棚に乗せて。別の棟には、八幡様まで行くのが大変だから、私のうちに八幡神社の分霊で、参拝できる場所を作っておいたのです。そこにも観音像を納めてあったんです。それも津波で無くなってしまいましたね。
お正月には、みなさんが神様参りされるときに、いろんな神飾りを作って差し上げておったわけなんです。年寄りたちに聞かれるんですよ、「全部流されて仮設生活している、今年のお正月はいったいどうすんの?」って。
この海岸地帯の神社は、気仙沼市の十三浜や、石巻の方とか、大分流された神社があります。大谷も、奥にも神社あったんですが、流されまして、道路の近くに赤い鳥居だけが残っています。
そういうところにその、伊勢神宮から、天照皇大神宮っていうお札が配られました。お正月どうすんのって言われるんですけど、なんとか、例年並みに神飾りは作ろうと思ってますと。先祖に申し訳ないという気持ちと、地域の方々の心のよりどころがないと気の毒だという気持ちで、例年の通りのお正月をしようと、そんなふうに考えてます。

「こどもの国に生きて」山内義夫さん
[宮城県気仙沼市本吉町小泉]昭和2(1927)年生まれ

普段の食事

米は作って売るためのものでした。いいお米は売って、家では、普段はふるいにかけられた後の屑の米を食べるんです。10人家族で米の量も半端でないわけさ。お正月とか、祝い事のときだけはいい米を食べました。麦は、(売る為のもので)少ししか作っていませんでした。
おかずは味噌汁と野菜の漬物、そして魚。魚は川も海もあるから、たくさん食べましたよ。お袋が野菜を売って、その帰りに何か買ってきたもんです。

「ひた走る花屋—志津川・中瀬町の花々と星々と」佐藤徳郎さん
[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]昭和26(1951)年生まれ

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タバサミ

実家は農業。ああ。おめぇたちに言ってもわかんねぇなあ。その頃は機械も何もないから、田を起こすのにも、荷物を積むのにも、馬を使ったのさぁ。農家はどこにも馬がいたの。お父さんは、その馬の、荷物を積む荷鞍の、その中に入れる「タバサミ」(鞍薦(くらこも)というが、この地方では「タバサミ」とも呼んでいた)っていうのを作ってたの。ガバでね。ガバっていうのはね、因幡の白うさぎのガバだよ、♪ガーバにく~るまれ♪って、あの。穂が綿にくるまれとって、綿(わた)みたいになるの。ガバっていうけど、ガマだね。なんとなくわかる? それでね、自分で荷鞍を作って、それを売ってたの。
うちのお父さんは荷鞍のタバサミを作ってお金を取って(現金を稼いで)たけど、その頃、お金取り(労働力を提供して賃金をもらうこと)っていうのはそんなに無かったの。それが、昭和8(1933)年、二十一浜にね、津波が来たんです。そのあと、堤防を拵(こしら)えんのが土方で、それやって金取りが始まったんだって、聞いてたのさ。私はそんときは子どもだから、そんな「金取り」の意味なんか考えなかった。うちのお父さんは、農家やって、農家の仕事が終わったらば、荷鞍のタバサミを拵えに行商に出っから、土方はやんないの。農閑期に何もしない人は、二十一浜の堤防の土方に金取りに行ったね。
農家はね、毎年、荷鞍を左右とも、両方、新調するの。毎年のことだから、農家の家々では、タバサミの材料のガマを刈って、乾かしておいたのを置いておくの。
冬に農作業をしなくなると、お父さんは登米だの横山だのに出て、ずうっと家を空けて出稼ぎです。毎年(まいねん)毎年(まいねん)、ずっと、タバサミを作り作り、一軒ずつ行くんだ。お金もらって、そのお金でどこかに泊まりながら行商するんです。出稼ぎは、柳沢から始まって、大盤峠を越えて、横山(登米市)まで行ったんですよ。自動車が通んない前、昔だからね。雪も降ったそうです。横山にたどり着く頃には、お正月、昔は旧のお正月だから2月になるんですよ。

「福の神」小野寺ちよしさん
[宮城県気仙沼市本吉郡]大正13(1924)年生まれ

家族全員で仕事

ウチは、畑も海も家族全員でやります。母のお店のお休みは月曜日、父の仕事の休みは日曜日だったから、みんな一緒のお休みがないでしょう? だから、朝5時に起きて7時まで畑をして、それから朝食を食べて両親は仕事、私たちは学校へ行って・・・。
とにかく家族みんなでやるんです。1年365日で家族全員お休みというのは元旦だけ。元旦だから、そんなに寝坊もできないんだよね。私たちは、そうやって手伝うというのが当たり前で育ちました。農作業も漁も、家族全員でやるもんだと思っていました。

「ひまわりのように」幸田笑美さん(仮名)
[宮城県気仙沼市本吉町]昭和36(1961)年生まれ

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小鯖の1年

若いときは、今のように炬燵もないし、ストーブもないんだ、どこのうちにも。お天道様が当たらなくても着るものいっぱい重ねて着て冬は過ごしたし、あとは暖かくなれば働きに出たわけね。ずいぶん働きましたね。
魚の加工場は働く場所同じだったけど、季節で魚が変わっていくから、先輩について教わってね。働いたわけね。夏はカツオ。秋はサンマね。あとはその間にはいろいろあったのね。ワカメとかね。あとは海岸伝いにずうっとアサリが獲れたし、カキや、どっか海苔を採ってきて食べたり。
車のある人たちはみんな舞根の方までカキを獲りに行ったんだが、私はこの辺でアサリを獲ったんです。塩水までペットボトルさ入れて、この塩水で一晩砂ふかせて食べるんだぞ、なんて言って、アサリと一緒に塩水まで持たせたりしたもんだ。その塩水で、アサリが見事につの出すの。

真冬はね、縫い物とかね。お正月の準備はそれぞれその家その家によって家風があるからね。教わって男の人はおかずにするとか、女の人はおせちね。いまだら何万出せば高価なのを買えますよね。それをなに、ここはアワビもあれば、ね、タコもあればね、なんでも魚はあるし。そして食べたもんです。

「新屋のみっちゃん、昔がたり」丘 美津江さん(仮名)
[宮城県気仙沼市唐桑]大正15(1925)年生まれ

おせち料理

おせち料理ですか? お姑さんがやったの。この辺では実家の方ではどうやったんだかねえ。義姉(あね)があったから、専門に料理上手でねえ。よそで婚礼があると頼まれて歩ったの。義姉(あね)さんがね。そして料理がうまいから何でもつくってもらって、そして私は何も、姉様がなにもするし、20歳くらいでお嫁にね、なんにもわかんないで来たの。
だからあとだんだんだんだん、見よう見まねで、そうするのかな、こうするのかな、と覚えたのね。覚えたり覚えなかったり、ま、その辺、ごまかしたりやって(笑)暮らしたんでないの。エヘヘ。

おせちね、お重になんてしないの。ここでは。うん。ただ、お膳に、赤いお膳に、ひと品ずつおさかなとか煮つけとか、ゴボウ入れて、黒豆とか、そういうのを出すわけ。私はね、黒豆つくり教えられてね、毎年作るの。お砂糖だの、しょうゆだの、ちゃんと分量があるから、それと豆と、さびた古くぎを探してきて、きれいに洗って、白い布に入れて糸で結わえて一緒に煮るわけさ。そうすると豆がつやつやになるの。アンコは小豆を煮て、袋を通して、煮詰めんの。そうしてやったもの、昔は。
神棚に飾るお正月飾りは、お正月近くになれば、気仙沼でも唐桑でも、どこでも売ってるの。どこで買ってもいいの。宗教によって天理教の絵の家もあるし、うちは仏教だから仏教のもあるし、神様のものでも仏さんのものでもその家、その家によって違いますからね。
うちは、買いに行って来て息子がやんの。暮れの28~9日あたりからもう飾りますね。一夜飾りは縁起が悪いし、「餅も一夜で搗(つ)くもんでない」とか言いますね。
元朝(がんちょう)参りは御崎さんまで行ったったのね、昔はね。今は車もないし、誰も一緒に行く人いないもの。だから、うちの氏神さまで元朝参りするんです(丘さん宅には、敷地内に小さな氏神様が祀られている)。昔は御崎さんまで、みんなで連れだって元朝参りだの行ってね。子どもたちも祝いに来るからね。いろいろ縁起物を買ったりしたんだけどね。

「新屋のみっちゃん、昔がたり」丘 美津江さん(仮名)
[宮城県気仙沼市唐桑]大正15(1925)年生まれ

登米の郷土色豊かなお正月

私たち農家のお正月といえば、昔は旧正月に祝ったものです。
お正月の準備は小寒、1月の半ばあたりに、まず凍(し)み豆腐を作ることから始まります。自分たちで育てた豆から、自分の家で作るんです。農家はみな、そうやったんですね、昔は自給自足でしたから。その豆で豆餅や納豆も作るんです。「ツトコ」といって藁で作った容器に入れて作る「ツトコ納豆」です。

それから飴餅です。聞いたことがないでしょう? 今でも、復刻して、道の駅なんかに売ってますよ。この登米郡地域のお正月には欠かせないものです。
飴餅の作り方はこうです。
秋に大麦が発芽してくると、麦芽っていうんですが、それを天日に干して、水に浸して「うるかし(湿らせ)」ます。その芽を使って煮た餅米をふかし、それと合わせて発酵させて、絞って煮詰めて、水飴を作ります。それを餅にからめたのが飴餅。私はそれが好きで、(結婚して登米を離れ)志津川に行っても、お正月には必ず飴餅を作ってる人を聞いて買ってきたものです。

飴餅のレシピについては、NHKの「今日の料理」のサイトに美しい写真入りで紹介があります。

また、飴餅を食べる時にかける、きな粉も自分の家で作ったんですね。きな粉用の豆を大きい鍋で炒って、石臼で挽き、ふるいにかけて作りました。豆は子どもでも挽けましたよ。中学生ぐらいになれば、手伝ったものです。飴餅にそれを混ぜて、食べるんです。うんと甘いんですよ。
そんな風に、私が住んでる志津川町と、登米のほうの餅は違うわけです。志津川の餅はあんこ餅だのクルミ餅だのですが、こちらの方は飴餅とか、あと納豆餅とかになりますね。雑煮はおんなじだけど。

あとちょっと変わった食べ物では、エビ餅っていうのがあるんです。これは、「沼エビ」を使います。今スーパーなどで売られているのは、ほとんどが茨城県の霞ヶ浦で獲れたものです。火の通った状態で売られていますよ。そのエビに醤油をかけて、納豆餅と一緒に食べるんです。
沼エビといえば、この付近はね、昔は「掘」と言って、川の小さいのでエビが獲れたこともありました。しかし、この一帯が改田(かいでん)、つまり全部耕地整理されて、水が流れていた田んぼが干拓されてしまい、水が枯れてしまったんです。だからもう、エビはいないし、ドジョウもいなくなったんですね。子どものころはドジョウを獲りましたよ(笑)。
小さいころからそういう手作りの正月を祝ってきたので、我が家のお正月は、こんな風に登米風に祝うんですよ。

「風の中、土に悠々と立つ──銀行マンの見た登米・志津川」須藤衛作さん(仮名)
[宮城県本吉郡南三陸町志津川]昭和7(1932)年生まれ

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