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平成11(1999)年には、イタリアのベザーノ(Besano)という町と友好町になりました。この町はスイスの国境付近にある町で、歌津と同じ魚竜化石の町。歌津では2億4千200万年前の魚竜化石が出土しているんです。ベザーノの化石は、歌津とは違って海が隆起した山から見つかったそうです。ベザーノのほかに、魚竜化石が出土した町としてはドイツのホルツマーデンがあります。
じつは、最初に友好町の話を持ちかけたのは、このホルツマーデンでした。しかし、ドイツという国はお金持ちの子どもしかホームステイができないというんです。ホルツマーデンの隣のキルヒハイムという音楽家の多い町にも話をしましたが交渉は難航しました。そこで、候補国をイタリアに切り替えたんです。イタリア人は陽気で面白く、話を持ちかけると「OK! OK!」と、二つ返事で応えてくれました。ベザーノのコロンボ町長も面白い人で、歌津で開催した「国際魚竜化石サミット」で締結を結んだ際には、わざわざ歌津まで28人の親子を連れて来てくれて、お互いにホームステイをして交流も行いました。
町には国際交流協会も作り、町の予算で子どもたちを国内外に送り出しました。小学生は国内の、海のある町と山のある町に行きます。山の町は山形の立川町(今の庄内町)。ここは風力発電を進めている風車のある風の町です。研修に行った先の町の子どもたちは歌津へ招待し、10月にワカメの種はさみ、2月はワカメ刈りの体験をしてもらいました。これは、立川が合併して庄内町になっても続いています。中学生以上は海外へ研修に行かせました。そして、大人たちもグランドゴルフで交流を行いました。
こうして仮設に入って、家の中でゴロゴロしていてもしょうがないんだからと、みんなを誘ってグランドゴルフをやっています。実は、宮城県のグラウンドゴルフは歌津が発祥の地なんです。気仙沼市と唐桑と角田市に働きかけて、歌津を合わせて2町2市で宮城県のグラウンドゴルフ協会を立ち上げたんです。最初はグラウンドゴルフについての知識も無かったんだけど、見学して面白いもんだなぁって、それで立ち上げました。
先日も秋田に22名で行って来ました。私がグランドゴルフの会長をやっているから誘われて、それでみんなを誘って、そうしたら選手宣誓をして欲しいということになったんです。会は旧歌津町の人が多いです。
選手宣誓というのは、本来はそんなに色々しゃべるものじゃないんだけれど、全国の人たちにいっぱいお世話になって、それを少しお話しして選手宣誓してきました。全国から、グラウンドゴルフ協会からの義援金や支援金も集まってきていて、そういうことに対してのお礼もちゃんと言いたいなと思ったんです。ただ、レンタカーがないと相談したら、「迎えに行きますから」って秋田から迎えに来てくれて、それで参加が実現しました。
今度、10月の15〜16日に、山形の庄内町へ行ってきます。もともと友好都市で、1年交代で行ったり来たりしていたんです。今年はこちらが行く番だったのが、用具もみんな流してしまって・・。
震災後、そういう用具を贈ってもらったり、いっぱい元気づけてもらったりしたので、私を入れて4〜5人でお礼に行こうかと思っていたら、先方のグラウンドゴルフの会長から携帯に電話がかかってきて、それがちょうど秋田から帰ってきた翌日に電話で、「心配しないでいいから多くの人を連れてきてけろ。何人くらい来ますか?」と言われて、30人から40人の間かなぁって。
向こうとしては、大勢来てもらって癒してやりたいという風な気持ちでいてくれるんだと思います。山形への参加費は500円です。本当はタダでいいと言われたんだけれど、そんなことではダメだからと電話で話したんです。
山形の庄内市の立川町も山形のグラウンドゴルフの発祥地です。今は合併して庄内市になりましたが、当時は立川町で、町長さんとも知り合いです。この震災の後も、グラウンドゴルフ協会の人たちが中学の避難所でも色々送ってくれました。食べるもの、お雑煮を500人分位ごちそうになった時もグラウンドゴルフ協会の方々が中心になってやってくれました。立川町の町長さんも一生懸命中心になってやっていただいたので、本当に心強いもんだなと思って、今はどんなふうに返したら良いのかなと考えています。
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