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うちの屋号は「いかざ」というんだ。平仮名で「いかざ」。漢字で書いてもいいんだよ。烏賊(いか)という字、漢字で書くの大変だ。イカ釣り船が、そこさ来て、船(ふね)繋(つな)でおいだ場所だから、「いかつりざ(烏賊釣座)」と最初言ったんだな。「つり」が長いうちになくなって、「いかざ」となった。こんな屋号というものは、日本のどこにもそういうものはないんだね。屋号は家の名前。だから、新築するとき、私のうちの屋号はこれですよってご披露する。こっちでは何と(いう屋号に)決めてんだ。
こっちの下のほうの家は、日(太陽)が向かいから上がっから、「陽向」と書いて「ひむかい」です。太陽の陽さ向かえいれる字。大きい財産家の家っていうのは「おおいえ」とか、伊里前だと町を仕切ったんで、ナニ町切(ちょうぎり)とか、山の根元にあったうちは、「やまね」って屋号ついてたり。向かい側のほうにあったうちは「むかい」ってついてるところもあればね。海岸の近くに瓦の近くにあるのは「かわら」とかね、一番下手にあった家が明治の津波で400mぐらいずっと奥さ流さたんだけど、上(かみ)に新しい家建てても、昔あった屋号で下(しも)という屋号なんだ。こういう風に、ぜんぶ屋号あっからね。
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