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土葬が行われていた頃は、会員が亡くなると会員たちで埋葬のための穴を掘ったものです。そうすると、ご遺族が「これで飲んでください」と1万円ぐらいくださるわけです。そのお金を使って、弔いの酒席をつくる。そうやって交流の場を増やしていました。近くの食堂あたりで飲みながらね。今はそういうこともしなくなりましたが、契約会館で卒塔婆(そとば)をあげたりしてね。火葬となった現在でも、納骨堂の掃除などは会員が行っています。
契約会以外の地域との絆も強いですよ。誰かが亡くなれば、必ずお悔やみにも行きます。昔は必ず亡くなった方の家に行って、3千円とか5千円とか包んでお線香を上げてきたものです。そして、香典のお返しは近いところは直接、持っていきました。でも、最近はお悔やみに行くと受付でお返しをくれるから、便利になりました。その場で全部、済んでしまうんですね。
契約会の役職は、会長、副会長、会計の3つで、普通は会計、副会長と経験を積んでから会長になるわけですが、私は特例で、いきなり会長を務めました。会長といっても、契約会の結束力がありますから大きな権力があるわけではありません。春と秋には、会員全員が集まって総会を開きます。大きな話し合いはこの2回だけです。
そこで、山の刈掃いの時期や回数、会計報告、そして会員が嫁さんをもらったりして新会員が増えれば、その紹介なども行って、食事会で団結を高めます。昔は会員が支度をして餅をつき、期単位の持ち回りで手料理を振る舞うのが決まりでした。8つの期のうち2期が食事を作り、残りの期がご馳走になるんです。しかし、今はお膳も使わずビニールを広げて済ませるし、食事も総菜を買うことが増えたようで、簡単になってきたみたいです。昔の形はなくなりましたね。総会は、いつも契約会館で行っていましたが、津波で流されてしまったので、現在は適当な場所を見つけてやっているようです。
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