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契約会では冠婚葬祭のほかに、植林や刈掃い(かりはらい)など山の管理をする山林部があります。契約会の山は40町歩くらいあって、会の帳簿上では40人共同の財産になっています。昔、みんなで話をして、あの山も、この山も、契約会のものにしましょうと決めたんだと思いますが、これは登記が難しいんです。固定資産税の請求があるので、役場には契約会の土地として登記されています。区分ごとに持ち主はいるのですが、あくまで契約会の共同の山として、個人が勝手に使ってはいけない決まりです。
山の手入れは、毎年、春の総会で「今年は5反分間伐しましょう」などと決め、山林部長を中心に行っています。刈掃いや植林は自分たちでやりますし、間伐も森林組合に頼んでやってもらいますから山はきれいですよ。刈掃いに出られない人は5千円を払うことになっています。昔は、こうして育てた木を売って収入にしていました。RQの前にあるヒノキの山も契約会の山です。今回の津波で、その向かい側の10町歩ほどは浸水しました。
それから土地も少しあります。今回の震災でも建設会社に土地を貸しているはずです。津波で流された契約会館も契約会の所有でした。その土地は“牧野”の名義の土地ですが、土地も建物も契約会のものとして役場に有料で貸していたわけです。
契約会の役職は、会長、副会長、会計の3つで、普通は会計、副会長と経験を積んでから会長になるわけですが、私は特例で、いきなり会長を務めました。会長といっても、契約会の結束力がありますから大きな権力があるわけではありません。春と秋には、会員全員が集まって総会を開きます。大きな話し合いはこの2回だけです。
そこで、山の刈掃いの時期や回数、会計報告、そして会員が嫁さんをもらったりして新会員が増えれば、その紹介なども行って、食事会で団結を高めます。昔は会員が支度をして餅をつき、期単位の持ち回りで手料理を振る舞うのが決まりでした。8つの期のうち2期が食事を作り、残りの期がご馳走になるんです。しかし、今はお膳も使わずビニールを広げて済ませるし、食事も総菜を買うことが増えたようで、簡単になってきたみたいです。昔の形はなくなりましたね。総会は、いつも契約会館で行っていましたが、津波で流されてしまったので、現在は適当な場所を見つけてやっているようです。
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