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私は銀鮭もやりましたが、主にはワカメです。最初の頃は乾燥のワカメが主でした。今は機械化が進んで作業が楽になりました私が始めた頃は、どうしても人手が必要な時は「結する(ゆいする)」と言って、近所の人同士で力を合わせて作業をしました。いつもというわけではありません。作業の内容によって必要な人数も違うし、部落で、お互いに農作業でも海の作業でも労力の交換をしながら、必要な時はお互いにそういうふうに「結」しながらやってきました。機械化されると、時間が早い。仕事は速いのが一番です。経費はかかるけれども、機械化した方がいいと思います。
灰干しワカメは、養殖もしくは天然の新鮮なワカメに、シダやススキ、わらなどの草木灰をまぶしたのち天日干しし、灰がついたまま製品とする海藻干製品です。
素干しワカメに比べ、鮮やかな緑色、歯ごたえの良さ、ワカメ特有の香りを、常温で1年以上保つことができるのが特徴です。
大谷では、天然のワカメを砂の上に置いて干して、ワカメに砂をつけたまますぐ、出荷するんです。業者さんが買っていって、1年間寝かしてどっかに売りに行くんですね。
ワカメは出荷したては固いんだけど、砂つけたまま1年置くと柔らかくなるんで、1年後に食べるんです。乾いたら砂が乾いて、サラッと軽くなるから、ぽろって落ちます。砂をつけておくと(ワカメの質が)変わんないんだね。
母の弟が船乗りでした。この辺は開口の規制が厳しいから、海に素潜りして採る人はあんまりいませんでしたね。船を持ってない人は陸(おか)から行って泳いで採ったり。
ちょうど大谷海岸のところは、今は泳ぐ(陸前階上駅すぐの御伊勢浜は有名な海水浴場)けど、もとはみんな、全部、天然ワカメの干し場だったんです。私が小学生ぐらいのときは、どこでもそうだった、大谷海岸は。私は大谷の母親の実家で育てられたから、それをずっと見てたんだね。
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