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カツオ船には、7年ぐらい乗ったね。カツオ船は年中ではないんだね。春から夏に近い時から南の方さ行って、だんだん日本に近づいて来て10月末までやって、そのままの格好でサンマ漁に行ったね。
カツオは群れで、獲れるときは船で10艘も20艘も満船に積むくらい。かと思うと、群れがいてもエサのイワシを食わないのは1匹も食わないからね。食い気のないのはもう、カツオが何万匹いても食わないのね。全然獲れない。色が紫色か赤みを帯びて見えるのは飛びついてくる。青くなって普通のカツオみたいに泳いでるのは食い気ない。
ああいうとこで実際にカツオを見ると、腹に何も入ってないカツオはエサ食わないんだね。妙なもんで。腹、解剖してみるとね、胃袋にエサなんか入ってないんです。我々人間が考えると、胃袋にモノがないといっぱい食いたいようなもんだけど、逆なんだね。だから釣ったカツオ見ると、もう胃袋破裂するくらい食ってんだ。私たちがカツオ釣りやってる時は、1本づつ手で掴んだんです。釣れるカツオは口からよだれダラダラ流してるんだ。トロロ流したときみたいに。そういう魚は胃袋に破裂するくらいイワシ食ってんだ。そういう時は、50人で5回もやったら、もう5000貫も6000貫も釣ったよ(1貫は約4㎏)。だけど、餌がなくなれば、漁が半分でも帰ってこねば。イワシを船漕に水張って入れてるから、餌がなくなると帰って来る。カツオ船はでも長くて10日くらい。徐々に、ここの魚は食いつきがいいとか偵察しながら漁をするんだ。
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