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結婚して2~3年後に、2番目の弟が出稼ぎに行って、大謀網(だいぼうあみ)漁(沖に仕掛け、魚を囲い込んで出られなくする漁法)で成功して、当時のお金で1500円も稼いできたんです。安いお家が一軒建つほどの金額でした。当時弟は結婚する前で18歳か19歳でないだろうかな。一緒に住んでたんですが、自分が生まれたこの家を改築するのを金銭的に助けてくれたんですね。
1500円を当てた大謀網というのは、岩手県の要谷(ようがい)というところの網元へ弟が出稼ぎに行ってしていたんですね。1回の漁でそれだけ稼いだのでなくて、夏から秋の3カ月くらい働いてのお金だね。主にマグロですね。季節によって冬はタラね。
名足の人と、歌津から弟を含めて2人、出稼ぎに行ったんですね。歌津の1500円を当てたもう1人の人はその後動員されて、空襲で焼夷弾か何かを受けて亡くなったそうです。
友だちから聞いたのですが、1500円を当てたあと、泊浜や高台の方角に田んぼある60あとさきのお爺さんが、うちを通過する時に馬を引っ張りながら、「1500円当たった家はこの家だよ」と言いながら歩いて行ったってことを聞きましたね。
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