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平成2(1990)年、民話と伝説を訊いて歩いてね、本を作ったんです。ほとんど流されたんだけど、娘のところに行ったら、娘がひとつもっててくれたんです。それをもらって来ました。公民館に行ったら、私の本が濡れたまま1カ月も放っておかれたのがあったので、家に持って帰って洗い、乾燥させて、今ここにこうしてあります。これは歌津町が、南三陸町になる前に、みずから訊いて回った話を本にしたものです。巻頭に「わたくしたちの歌津町」ってあるでしょう。その文章の方も自分で書いて、写真の方も自分で撮ったんです。
それを仕上げてからは、何も書いていなかったので、もう一つ作ってみました。古いもので、天保12年に写本された「歌津敵討(うたつかたきうち)」が偶然に手に入り、これをものにしようって思いたったんです。貰い物のワープロを使って指一本で。2~3年かかって作りました。原文がこれです。(写真参照)「天保十二年これを写す」とは書かれているけど、誰が写したか作者は書かれていない。
ワ-プロで打ち直したものを「歌津敵討『孝子お筆重次郎』 写本・編集/高橋静男」としてまとめ、13冊自主製本して、町長、教育長、文化財保護委員長はじめ、みんなに配りました。だけど、津波のあと持ってないか訊いて回ったら、ほとんど流されてました。一人だけ、家に行ったらありました。「持ってねぇか」「持ってます」ってことで貸してくれ、コピーして返すからと言って借りてきました。
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