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この魚竜太鼓を作るには、いろいろありました。東北博覧会の後に、歌津でも創作太鼓を作りたいということで、佐藤正信さん(民族歌舞団ほうねん座代表)という方にお願いしました。
太古の海に泳いだ魚竜がモチーフだから、私たちにとって母なる海だ、海はふるさとなんだと、ということで頼んだら、正信さんは最初、魚竜の2億7500万年前のイメージが浮かばず、「魚竜は海にいるもんだ、なんとか漁師と結びつけられないものか」と思って、定置網やってる親戚の船に乗せてもらって漁師が網を下ろすのを実際に見て、イメージを描いたんです。
創作太鼓でも歌津魚竜太鼓の特徴は、起承転結で1つの物語を作って、その物語にそって太鼓を叩く、「見せる」太鼓。でも正信さんは「聞かせる」太鼓を作った。そこに、漁師の太鼓なので、「どや節」という歌が入るんです。「おーおーよいところ」って歌うんです。そして最後の太鼓の叩きあげでダッダダダッダダ・・と盛り上がって行く。
物語は、最初は漁師が海へ漁に行く。そして沖で魚と戦い、そして魚を獲って大漁で帰って来るわけです。陸(おか)ではみんなが帰りを待っている。「魚竜太鼓」と「田束の夜明け(作詞は牧野さん)」その頃は創作太鼓自体が珍しく、魚竜太鼓が有名だったので、あちこちから出演依頼が来ていました。だからトラックに積んでどこへでも運んだんです。
これは初代の太鼓、地味な太鼓、地味なはっぴですね。今の魚竜太鼓はこんなふうではありません。白い派手なはっぴでですね。
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