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昔は子供がお使いに行くのが普通でした。お店に入る時は、「もうし~」って言いながら入って行きます。もらうっていう意味と買うって意味もあったんでしょう。店の方でも心得ていて、何を買いに来たかっていうのは、もう店の方で知っているんです。子供がモジモジして行っても、分かってくれますし、親がお金を持たさないで使いに出しているのも分かっていたんです。例えばいつも買うお醤油や味噌を一升瓶に五合など、みんな、そこの家の家計も内情も知っているという感じで見計らってくれるのです。だからみんな、お店の人に持たされて帰ってくるという感じでした。
そのようにして帳面につけておいてもらって、盆などに手間どりした勘定が出てから、まとめて支払う、それが普通だったんですね。
伊里前では、盆と正月は市の立つ順番と日にちが決まっていたんです。夏は8月の10日が志津川、11日が伊里前、12日が津谷、最後は気仙沼となってました。市の立つ日の朝なんてのは、買い物に行くのに3時ごろから起こされたんです。
昔は、地元の人が買ったもののお金は、ほとんど盆暮れにしか支払わないんですよ。うちの親父なんかは、テレビでみるような、こんな大黒帳にね、みんなのつけた分を書き入れていたんですが、盆になると支払いに来るわけですよ、何カ月分ものお金を。
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