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子どもが小さい頃から、お漬物やおひたしもおやつに出してましたけど、この辺では「鍋焼き」っていうのを作ってました。やっぱりお姑さんに教わってね。小麦粉を水で練って、鍋で焼いたのね。味はお塩とお砂糖と。昔は弦(つる)のついたおっきな鍋があったんです。
そこにトロンと落して、少しはがして、ひっくり返して。薄くて、モチモチした感じなんだね。そのまま切って食べたり、みょうがの葉っぱの載せて焼いて食べたり、あとは昔は青ジソがないから、赤しその葉っぱの上に、その練ったものを載せて、両方返して。そうすると葉っぱの形だけじゃなく、香りも移るからね。ゴマとかクリとか入れたら最高おいしいんだけど、せいぜいゴマふったりする位だね。
この辺では労働しますから、10時のおやつのことを「タバコ」っていうけれど、その時にまあ、そういうのおやつを食べたり、漬物、たくあんなんか出して食べたりしたんです。今のように、買って食べないからね。仕事がやっぱりきついから、おやつを食べるのね。今みたいに12時に昼じゃないんですよ。10時になると、「タバコだよ~」って声かけますね。
いつだかの新聞で、東京のほうから気仙沼の方さ来たお嫁さんが、お姑さんが「大工さんにタバコ出さい」って言われて煙草持ってったって。そんな話もあったですよね。なにもそんなおやつのこと、タバコなんて言うはずないと思うよね。
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