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私も海に獲りに行ったんですよ。小学3年生ぐらいのときには素潜りをして、冬場には、夕方潮が下がりますから、みんなで焚き火して。焚き火の大きなかまどを作った上に石をドンと置いてあっためて、そこにマツモを乗っけて食べたんです。マツモの黄色い色が青々として。物が少なくて、煮て食べる鍋なんかないものですからね。それが鍋代わりだったんだね。
海に行かない時は、山に行って。藤の蔓を割って、つないで、長くして。それを大きな木に結わえつけて、ブランコにしたり、そうして遊んだんです。小学3年生ぐらいから中学ころまでやってたのかな。
小さい頃から、昼でも夜でも子供同士が集まる場所があったんです。今の子はそういう場所がなくて
ホントかわいそうです。
小学校4年生の頃から、「山の子なのに、毎日海にいた」と言われるほど自転車で海に行って泳いでいました。遊泳禁止区域のロープよりも先の防波堤辺りで、素潜りをしていたんです。そこでマイナスドライバーでアワビを獲ったりしました。ある浜地区に、ものすごい流れの速いところがあって、そこへ父と夏休みに行って潜ったことがあります。流れが速いので海藻につかまって引きに耐え、波が落ち着いた時を狙ってアワビを獲るんです。
唐島もきれいでしたね。そこで素潜りしていたら、ある時見つかって(笑)、「右手挙げてみろ!」「左手挙げてみろ!」「両手挙げてみろ!」・・。で、バレて怒られました。
あの頃素潜りしていたのは、単純に冒険心からだったと思います。海の怖さを知らなかったんですね。海の怖さ、海の仕事の辛さは、大人になって海で仕事をする友人たちの話や体験を通して感じるようになりました。アワビとか、牡蠣とか、ホヤとか・・。われわれは一瞬で食べ、「旨いっ!」で終るけど、我々の林業と同じで、実は長いスパンで手間をかけて育てていかないといけません。その辛さは育ったものだけ見ていても見えないものだと思います。
海は、ある時ふと今まで何の抵抗もなく潜っていた場所を「怖いな」と感じるようになりました。それまでに、色々な事故とかがあったのも影響しているかもしれません。
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