この地方では、竈を作る時、火事にならないように、土でこういうのを作って、神様として飾ったんです。昔は百姓の家には、竈を造る所にはどこにでもあったものですよ。今だと、あそこの上品さん(道の駅「上品の郷」)などで、釜神様を売ってます。3~40個並べてありますが、二万か三万します。豊里の香林寺だったか、資料館(壊邑館、閉館中)に二十何体あったのですが、展示してあった小判を盗まれて以来、資料館を一般には見せなくなったんです。
今では新しい家を建てると、こういう炊事場になったから、釜神様をつくる人もなくなったので、自分の手で昔ながらの釜神様を作ってたんです。なんせ、粘土でつくるものですし、実物もなくなってきていますから。
「伊里前 海と山が育む宝もの」高橋静男さん
[宮城県本吉郡南三陸町歌津伊里前]大正15(1926)年生まれ
投稿日:2012.01.01
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