遠洋漁業といえば、私の舅は遠洋漁業で船頭をしていました。舅は、家内の父ですが、私の伯父なんです。私の父が家内の父の弟です。私たちは、いとこ結婚ですね。それで、この舅が、漁業者として佐藤栄作が総理大臣の時代に勲七等を頂いています。舅は、この辺で名前を知らない人がいないんだ。神奈川県の三崎に行っても名前が知れているくらいの漁の名人でした。
漁にかけては本当に名人で、漁業者としての叙勲では早いほうだと思います。その舅は、戦時中はカツオ船に油を載せて南方へ船団を組んで運んだと聞いています。昔はタンカーなんていうのがないから、そうやって、油を運んだそうです。漁船っていうのは、船長よりも船頭のほうが偉いんだよ。船を持っている船長が偉いと思うでしょう?漁船の場合は違うの。船頭というのが一番の権限者で、そういう親父でした。
私は遠洋漁業には行きませんでした。息子は、無線通信士ですから、船頭は舅だけですね。
「細浦の海と山と」田辺喜一郎さん(仮名)
[宮城県本吉郡南三陸町志津川細浦]大正11(1922)年生まれ
投稿日:2012.01.01
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