ワカメの開口はだいたい年7回くらいですね。今日やって、明日もというわけにはいかない。天気がよければ2日続けてということもありましたけれど、だいたいは間をおいて、天候と潮の加減をみてから、次の開口日を決めます。ワカメを刈るには、潮が引いてる時の方がいいですね。
朝、満潮で行っても、そのうちに潮が下がるから、そこで採るんです。ワカメ刈りにかかる時間は、だいたい2~3時間くらいですが、船がワカメで満船になれば、陸(おか)に帰って行くんです。船にいっぱいに積んで帰って、あとはそれを干す時間が2日ぐらいかかるんですね。生のワカメだから、今度は刈ってきてそのままだと表面が乾燥するから、家へ帰って来たらすぐ、海岸の砂を取ってきて、砂でワカメをくるんでいくんですよ。表面が乾燥するのが早いですからね。そして1本ずつ(余分な水分を取るために)干すんですよ。
干す場所は、海岸の空いてる所がほとんどワカメを干す場所になるんです。海沿いの道路の何百メートルがワカメ干し場になるんです。場所は特に決まってない。空いてるところはどこでもいいんですよ。喧嘩にならないですよ、町内ならば、どこでもかまわないんです。夕方干したのを集めて、次の日また持って行って干して、2日くらい掛かる。クキなんか、なかなか乾燥しないですからね。
干したものを、砂で揉んでおきます。そうすると、漁業組合から「何月何日に集荷します」って連絡があるんですよ。そして漁協に納めるんです。
「煙草ふかして目を閉じりゃ」丸山敬一郎さん(仮名)
[宮城県本吉郡南三陸町歌津伊里前]昭和5(1930)年生まれ
投稿日:2012.01.01
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