東日本大震災 RQ聞き書きプロジェクト 「自分史」公開サイト
登米市迫町の農家に生まれ育ち、結婚後は南三陸町志津川で銀行マンとして、また酒屋のご主人として人生の大半を過ごされた須藤衛作さんの物語です。地方銀行が会社組織となり、そして冬の時代を迎えるまでの変遷を身を以て体験し、2つの大津波に見舞われる。まさに激動ですが、その人生を「悠々」と語ります。

風の中、土に悠々と立つ
──銀行マンの見た登米・志津川

須藤衛作さん(仮名)[宮城県本吉郡南三陸町志津川]

登米市迫町の農家に生まれ育ち、結婚後は南三陸町志津川で銀行マンとして、また酒屋のご主人として人生の大半を過ごされた須藤衛作さんの物語です。地方銀行が会社組織となり、そして冬の時代を迎えるまでの変遷を身を以て体験し、2つの大津波に見舞われる。まさに激動ですが、その人生を「悠々」と語ります。

「娘さんを亡くされた父親が、1人で泣ける場所を探している」というエピソードが心に深く突き刺さりました。きっと誰しも多かれ少なかれ、そのような思いを抱えていたのではないでしょうか。今は泣きたくても泣いてなんかいられない、という日々の連続でここまで来られたのでしょうが、ご本人は決してご自身の苦労話などなさらないのです。

あした、泣く
三浦清人さん[宮城県本吉郡南三陸町歌津]

「娘さんを亡くされた父親が、1人で泣ける場所を探している」というエピソードが心に深く突き刺さりました。きっと誰しも多かれ少なかれ、そのような思いを抱えていたのではないでしょうか。今は泣きたくても泣いてなんかいられない、という日々の連続でここまで来られたのでしょうが、ご本人は決してご自身の苦労話などなさらないのです。

山内さんは、神様と市井に生きる人々の仲立ちをする神主さま。歴史ある小泉八幡神社の儀式では、近寄りがたい厳かな雰囲気をたたえつつも、小中学生にとって、先生の顔を持つ人柄を映して、その場の空気も緑深い森の朝のように、澄んで温かいものになるようです。生涯の大半をおおぜいの子どもたちと過ごしてきた山内さんにとって、子どもたちへの愛情は特別なものがあります。

こどもの国に生きて
山内義夫さん[宮城県気仙沼市本吉町小泉]

山内さんは、神様と市井に生きる人々の仲立ちをする神主さま。歴史ある小泉八幡神社の儀式では、近寄りがたい厳かな雰囲気をたたえつつも、小中学生にとって、先生の顔を持つ人柄を映して、その場の空気も緑深い森の朝のように、澄んで温かいものになるようです。生涯の大半をおおぜいの子どもたちと過ごしてきた山内さんにとって、子どもたちへの愛情は特別なものがあります。

歌津に生まれ育ち、中学時代は陸上の選手、高校時代はバレーボール部の主力選手として活躍し、スポーツ万能青年だった及川徹さんの自分史です。臨床検査技師として志津川病院に勤務、退職後は歌津町・南三陸町議会議員をお務めになりました。歌津と志津川を爽やかに駆け抜けてきた印象を与えてくれるお話です。

歌津↔志津川 駆け抜けて・・
及川 徹さん[宮城県本吉郡歌津字伊里前]

歌津に生まれ育ち、中学時代は陸上の選手、高校時代はバレーボール部の主力選手として活躍し、スポーツ万能青年だった及川徹さんの自分史です。臨床検査技師として志津川病院に勤務、退職後は歌津町・南三陸町議会議員をお務めになりました。歌津と志津川を爽やかに駆け抜けてきた印象を与えてくれるお話です。

この物語は、私たちが今まで被災地域で聞いたどのお話にも似ていません。際立って特別な物語になっているのは、語り手が「風の人」だから。現在は宮城を離れて暮らしていますが、きっと心の中の風景には、気仙沼本吉の美しさ、理屈だけではやっていけない「土の人」の、素朴な暮らしのよいところが思い出されているのでしょう。

風人の庵へ、ようこそ。
須藤寿郎(仮名)さん[宮城県気仙沼市本吉町小泉]

この物語は、私たちが今まで被災地域で聞いたどのお話にも似ていません。際立って特別な物語になっているのは、語り手が「風の人」だから。現在は宮城を離れて暮らしていますが、きっと心の中の風景には、気仙沼本吉の美しさ、理屈だけではやっていけない「土の人」の、素朴な暮らしのよいところが思い出されているのでしょう。

理子さんのお話には、家にまつわるエピソードが多く出てきます。ご夫婦で手作りした16坪の家は、歌の世界と重なり、ご家族が支えあっての暮らしは、まさに「ホーム・スウィート・ホーム」そのものです。理子さんが語る言葉には、ご自身の辛さ・苦しさよりも、ご主人への感謝とご家族への愛情があふれています。理子さんの、忍耐強く温かいお人柄を伝える1冊です。

埴生の宿 Home, Sweet Home
幸田理子さん(仮名)[宮城県気仙沼市本吉町]

理子さんのお話には、家にまつわるエピソードが多く出てきます。ご夫婦で手作りした16坪の家は、歌の世界と重なり、ご家族が支えあっての暮らしは、まさに「ホーム・スウィート・ホーム」そのものです。理子さんが語る言葉には、ご自身の辛さ・苦しさよりも、ご主人への感謝とご家族への愛情があふれています。理子さんの、忍耐強く温かいお人柄を伝える1冊です。

お母様・幸田理子さんと一緒に自宅で理容店を営んでいたのが幸田笑美さん。津波で家を流された後、仮設住宅に暮らしながら現在は4坪のプレハブ店舗で理容店を再開しています。どんな時もお日様をまっすぐ見上げる「ひまわり」のように、明るく元気なのが笑美さんです。親娘それぞれの自分史にご注目ください。

ひまわりのように
幸田笑美さん(仮名)[宮城県気仙沼市本吉町]

お母様・幸田理子さんと一緒に自宅で理容店を営んでいたのが幸田笑美さん。津波で家を流された後、仮設住宅に暮らしながら現在は4坪のプレハブ店舗で理容店を再開しています。どんな時もお日様をまっすぐ見上げる「ひまわり」のように、明るく元気なのが笑美さんです。親娘それぞれの自分史にご注目ください。

大正の終わりに志津川の細浦に生まれ、時代の大きな移り変わりの中で、ご家族を支えてこられた阿部琴女さんの物語です。女性が語る、戦時中の生活はとても貴重。決して楽ではなかった生活ですが、自分たちの手で生活を営んできた誇りを感じます。働きながらも毎日を楽しんだ様子も聞けました。

細浦の海と山と
阿部琴女さん(仮名)[宮城県本吉郡南三陸町志津川]

大正の終わりに志津川の細浦に生まれ、時代の大きな移り変わりの中で、ご家族を支えてこられた阿部琴女さんの物語です。女性が語る、戦時中の生活はとても貴重。決して楽ではなかった生活ですが、自分たちの手で生活を営んできた誇りを感じます。働きながらも毎日を楽しんだ様子も聞けました。

「豊かになるには元手がいる。元手とは金銀や米などではなく、心持ちのことだ」と諭し、「早起き・慈悲心・隣人愛・夫婦愛」を説いたのが“福の神”。お酒が好き、人も好き、手作りも好きで、周りの人たちをいつも笑顔にするちよしさんを見ていると、この「福の神」のお話を連想せずにはいられませんでした。

福の神
小野寺ちよしさん[宮城県気仙沼市本吉町]

「豊かになるには元手がいる。元手とは金銀や米などではなく、心持ちのことだ」と諭し、「早起き・慈悲心・隣人愛・夫婦愛」を説いたのが“福の神”。お酒が好き、人も好き、手作りも好きで、周りの人たちをいつも笑顔にするちよしさんを見ていると、この「福の神」のお話を連想せずにはいられませんでした。

志津川に生まれ育ち、地元の家を建ててきた三代続く大工さんのお話です。笑顔の絶えないひょうきんな感じの芳賀さんですが、丹精こめて建てた家や神棚が津波に流され「一時はやる気が失せて」とおっしゃいます。でもお話が盛り上がるのは、やはり仕事の話でした。大工さんとしての自負、執念、東北の職人魂が伝わってきます。

「大工」として生きる
芳賀義人さん[宮城県本吉郡南三陸町志津川中瀬町]

志津川に生まれ育ち、地元の家を建ててきた三代続く大工さんのお話です。笑顔の絶えないひょうきんな感じの芳賀さんですが、丹精こめて建てた家や神棚が津波に流され「一時はやる気が失せて」とおっしゃいます。でもお話が盛り上がるのは、やはり仕事の話でした。大工さんとしての自負、執念、東北の職人魂が伝わってきます。

南三陸町歌津の樋の口に生まれ育ち、山と森を守りながら生きてこられた山内孝樹さん。多忙な毎日の中でも、ご自分の信念を大切にされ、いつも周囲への思いやりにあふれた、とても大きな方です。横座でお話しくださるお姿には家長としての風格が漂うのですが、お話はとても楽しくテンポがあり、毎回時間が経つのも忘れました。

森呼吸・・
山内孝樹さん[宮城県本吉郡南三陸町歌津樋の口]

南三陸町歌津の樋の口に生まれ育ち、山と森を守りながら生きてこられた山内孝樹さん。多忙な毎日の中でも、ご自分の信念を大切にされ、いつも周囲への思いやりにあふれた、とても大きな方です。横座でお話しくださるお姿には家長としての風格が漂うのですが、お話はとても楽しくテンポがあり、毎回時間が経つのも忘れました。

小泉生まれ、小泉育ちの谷さん。子ども時代の遊びから学んだ多くのことを、次世代に語りつぎたいという思いがあふれています。同級生や大きく強い子、小さくて力のない子が入り混じった小さな社会で、みんなが生きやすいルールを作ったお話は、現代のゲーム漬けの子どもに聞かせたい一段です。

小泉っ子よ、過激に遊べ!
谷 太郎さん(仮名)[宮城県気仙沼市本吉町]

小泉生まれ、小泉育ちの谷さん。子ども時代の遊びから学んだ多くのことを、次世代に語りつぎたいという思いがあふれています。同級生や大きく強い子、小さくて力のない子が入り混じった小さな社会で、みんなが生きやすいルールを作ったお話は、現代のゲーム漬けの子どもに聞かせたい一段です。

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